(番外編集)それは麻薬のような愛だった
「ねえ、聞いて!」
とある日の朝礼前。私は仲のいい友人達に向かって声をかけた。
「私、伊澄と付き合うことになったの!」
昨日、思いきって告白したところ了承を返され、私は嬉々として友人に報告した。
友人達は顔を見合わせ、そして薄い笑みを向けながら言った。
「そうなんだ。続くといいね」
「は?なにそれ」
一緒に喜んでくれるでもなく放たれた冷たい言葉に苛ついて言葉を返す。不快だという気持ちを隠さずに突っかかるも、彼女達の態度は変わらなかった。
「だっていつも長く続かないじゃん。これで何人目?って感じだし、天城くんと付き合えようがもう誰も驚かないって」
「そうそう。彼女の数なんて高校入ってから軽く10は超えてるしね。中学から一緒の子に聞いたけど、その頃から入れ替わり激しかったらしいよ」
「今更彼女になったって聞いても、ワンナイトしましたーって言ってるのと同じくらいの感覚だよね」
「わかる〜」
「……」
薄情な女達だと、私は内心毒を吐いた。
こんな女達となんで友人なんかやっているんだろう。いや、友人なんてただの建前でお互い都合が良いから寄っているに過ぎないんだろう。
お互いにそれなりに整った容姿で一緒にいればなにかと目立つし、いい思いができるから。
この時の私は単純で、校内一のモテ男である天城伊澄と付き合えたことに内心嫉妬しているんだろうと思っていた。