【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「つまりおまえの恋人は、おまえと付き合っていながらも他の男と不貞を働き、子をもうけた。だからおまえから逃げ、その先で記憶を失った。となれば、つじつまが合うのではないか?」
「違う。彼女はそんな人物ではない!」
 そこでランドルフは肩をすくめる。
「まったく……ここまで言ってもおまえは気づかないのか?」
「何を?」
「その子はおまえの子じゃないのか? 思い出してみろ。その子はどんな顔をしていた?」
 指摘され、彼女の腕に抱かれていた二歳くらいの男の子の顔を頭の中で思い描いてみる。
「シアと同じ金色の髪だったが……。目は俺と同じだったかもしれない……」
「おまえのその瞳の色は珍しいだろう? ケンジット公爵家の直系にしか見られないのではないか?」
 ランドルフの言葉は正しい。ケンジット家は精霊の末裔の血を引いているとか、そのときの精霊の瞳が紫で、その特徴を代々受け継いでいるとか、そんな言い伝えがある。
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