【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「フラン! おうち、いる。フラン、あそんで」
 やはり先ほどまで機嫌が悪かったのは、眠かったからなのだろう。ぱっと目を覚ましたヘリオスは、今度はフランクにかまってもらいたくて仕方ないらしい。
「フランク。すぐにご飯の準備をするので、ヘリオスをみてもらってもいいですか?」
「もちろん。おいで、リオ。ご飯ができるまで遊んでようか。何して遊ぶ?」
 ヘリオスをあやすフランクの笑顔に、胸が熱くなった。
 それに、食事の用意をしながらヘリオスの様子を気にしなくていいというのは、気持ち的に楽だった。
 今日は、港へ行ったときに、馴染みの商人からベリーのジャムをもらっていた。それから干し肉も。
(パンはまだ残っているし。干し肉はシチューにして……)
 料理のために火を起こすのも、魔石を使う。また食料保存にも魔石を用いれば、長期保存も可能となる。それだけ魔石は生活に根ざしていた。
(魔石……)
 火をつけるために魔石を手にして、シアははっとする。
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