【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい

4.

「おかえりなさい、ヘリオス」
 シアは教室の入り口で、満面の笑みを浮かべる息子を迎えた。
「まま、まま。だっこ~」
 ヘリオスが小さな両腕をいっぱいに伸ばし、弾んだ声で抱っこをせがむ。その無垢な笑顔に、シアの心は温かさで満たされた。
「もう、仕方ないわね」
 笑いながらそう言い、ヘリオスを抱き上げようとした瞬間、傷口に鋭い痛みが走った。
「うっ……」
「まま?」
 ヘリオスの大きな瞳が心配そうに見つめてくる。
「なんでもないわ。リオ、今日から新しい先生がきたのよ。テリー先生っていうの」
 傷の痛みに顔をしかめつつも、なんでもないように装い、テリーをヘリオスに紹介した。
「こんにちは、ヘリオス。テリーです」
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