【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
7.
シアの怪我は、一ヶ月もあればきれいに治るだろうとジェイラスの見込みのとおり、日に日に回復している。
ヘリオスを抱き上げることもできるようになったが、剣術の授業はジェイラスに任せていた。それでも彼は「期間限定の先生」であるし、シアもまた教師を辞める決意を固める。
その話は、ボブたちと話をした次の日、養護院の院長に伝えた。彼女はどこか寂しそうに目尻を下げたものの「シア先生の人生ですから」と、背中を押してくれた。そのやさしい言葉に、シアの心は感謝と切なさで揺れ動く。
子どもたちには後任の教師が決まり次第、シア自身の口から言うことを約束した。ボブがすでに教師候補を絞っているようなので、決まるのは時間の問題だろう。
あの日から変わったことといえば、ジェイラスと一緒に暮らし始めたくらいだろうか。これもコリンナとボブが「恋人同士なら、一緒に暮らせば記憶が戻るかも!」と明るく提案したのがきっかけだ。まして、結婚を約束した仲ならなおさらだと。
それでもシアにとってはまだ他人事のように感じられた。
ジェイラスは近衛騎士団長を務めるだけでなく、ケンジット公爵家の嫡男。となれば未来の公爵様だ。
そのような高貴な方と、本当に結婚を前提にしたお付き合いをしていたのかと不安が押し寄せてくる。
「シア、どうかしたのか?」
スープ皿にスプーンを突っ込んだままぼんやりとしていたシアに、ジェイラスが心配そうに声をかけてきた。
ヘリオスを抱き上げることもできるようになったが、剣術の授業はジェイラスに任せていた。それでも彼は「期間限定の先生」であるし、シアもまた教師を辞める決意を固める。
その話は、ボブたちと話をした次の日、養護院の院長に伝えた。彼女はどこか寂しそうに目尻を下げたものの「シア先生の人生ですから」と、背中を押してくれた。そのやさしい言葉に、シアの心は感謝と切なさで揺れ動く。
子どもたちには後任の教師が決まり次第、シア自身の口から言うことを約束した。ボブがすでに教師候補を絞っているようなので、決まるのは時間の問題だろう。
あの日から変わったことといえば、ジェイラスと一緒に暮らし始めたくらいだろうか。これもコリンナとボブが「恋人同士なら、一緒に暮らせば記憶が戻るかも!」と明るく提案したのがきっかけだ。まして、結婚を約束した仲ならなおさらだと。
それでもシアにとってはまだ他人事のように感じられた。
ジェイラスは近衛騎士団長を務めるだけでなく、ケンジット公爵家の嫡男。となれば未来の公爵様だ。
そのような高貴な方と、本当に結婚を前提にしたお付き合いをしていたのかと不安が押し寄せてくる。
「シア、どうかしたのか?」
スープ皿にスプーンを突っ込んだままぼんやりとしていたシアに、ジェイラスが心配そうに声をかけてきた。