【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
どういうことでしょう、とガネル子爵が眉を寄せる。
「先ほども言いましたように、彼女はサバドの養護院で子どもたちに勉強を教えていました。それは彼女自身に、教えられるだけの教養があったからです。そういった教養、生活に必要な知識は人並み以上に備えていました」
シアはふと考える。もしすべての記憶を失っていたら、文字の読み書きも、言葉の理解もできなかったかもしれない。そんな世界に放り出された恐怖を想像すると、背筋が寒くなった。
「我々は、彼女の記憶は魔法によるもので封じられていると考えています」
「魔法……」
シアもぽつりと呟く。その考えはなかった。馬車の事故のときにシェリーを助けたと聞いていたから、そのときに頭を強く打ったのだろうと、そんなふうに考えていたのだ。魔法によるものだなんて、思ってもいなかった。
「そのためにも、魔法師による記憶解析。それを行わせていただきたい。記憶を操る魔法は精神に干渉するため、本人の他にも身近な家族の同意が必要です」
「先ほども言いましたように、彼女はサバドの養護院で子どもたちに勉強を教えていました。それは彼女自身に、教えられるだけの教養があったからです。そういった教養、生活に必要な知識は人並み以上に備えていました」
シアはふと考える。もしすべての記憶を失っていたら、文字の読み書きも、言葉の理解もできなかったかもしれない。そんな世界に放り出された恐怖を想像すると、背筋が寒くなった。
「我々は、彼女の記憶は魔法によるもので封じられていると考えています」
「魔法……」
シアもぽつりと呟く。その考えはなかった。馬車の事故のときにシェリーを助けたと聞いていたから、そのときに頭を強く打ったのだろうと、そんなふうに考えていたのだ。魔法によるものだなんて、思ってもいなかった。
「そのためにも、魔法師による記憶解析。それを行わせていただきたい。記憶を操る魔法は精神に干渉するため、本人の他にも身近な家族の同意が必要です」