【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
†ジェイラスの幸福
やはり、シアはアリシアだった。その事実にジェイラスは歓喜した。
間違っていなかった。ひと目でアリシアだとわかったその感覚。全身の血液が滾るように、心臓が震えたのだ。
だがそれでもランドルフは、シアがアリシアだと結論づけるのは早急過ぎると言い続けていた。ジェイラスよりも、もっと彼女に近い人間の確信が欲しいと。
だから彼女の両親、ガネル子爵夫妻が王城に呼び出された。家族だからこそ知るアリシアの特徴。
――アリシアは右耳の後ろに黒子があります。二つ並んでいて……。
彼女の身体の至るところに余すことなく口づけたのに、耳の後ろの黒子には気がつかなかったのが悔しい。
ガネル子爵夫妻は、今すぐにでもアリシアとヘリオスを連れて帰りたがっていたが、今の状態のアリシアを手放すのは危険だと判断したのはランドルフだ。
第二騎士団。伝令や雑用をこなすところだと思われているが、第二騎士団の一部は諜報活動を担っている。それは第二騎士団に所属する者すべてが知る事実ではなく、それに従事する一部の者しか知らない。
アリシアは伝令として各地を飛び回っていたが、彼女が伝える情報が狙われたと考えれば、腑に落ちるものがある。アリシア本人は自覚していないだろうが、彼女が伝えていた情報の中には、機密事項だって数多く含まれているのだ。それを伝令係には気づかれぬよう伝令を頼む。
間違っていなかった。ひと目でアリシアだとわかったその感覚。全身の血液が滾るように、心臓が震えたのだ。
だがそれでもランドルフは、シアがアリシアだと結論づけるのは早急過ぎると言い続けていた。ジェイラスよりも、もっと彼女に近い人間の確信が欲しいと。
だから彼女の両親、ガネル子爵夫妻が王城に呼び出された。家族だからこそ知るアリシアの特徴。
――アリシアは右耳の後ろに黒子があります。二つ並んでいて……。
彼女の身体の至るところに余すことなく口づけたのに、耳の後ろの黒子には気がつかなかったのが悔しい。
ガネル子爵夫妻は、今すぐにでもアリシアとヘリオスを連れて帰りたがっていたが、今の状態のアリシアを手放すのは危険だと判断したのはランドルフだ。
第二騎士団。伝令や雑用をこなすところだと思われているが、第二騎士団の一部は諜報活動を担っている。それは第二騎士団に所属する者すべてが知る事実ではなく、それに従事する一部の者しか知らない。
アリシアは伝令として各地を飛び回っていたが、彼女が伝える情報が狙われたと考えれば、腑に落ちるものがある。アリシア本人は自覚していないだろうが、彼女が伝えていた情報の中には、機密事項だって数多く含まれているのだ。それを伝令係には気づかれぬよう伝令を頼む。