【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「どうだい? クラリッサ。今なら私の膝が空いているが?」
 だがクラリッサはやんわりとそれを断った。
「アンドリューが待っておりますの。そちらはまたの機会に。それでは失礼します、王太子殿下」
 優雅に一礼し、クラリッサは部屋から出ていった。
「私はふられてしまったようだ」
 クラリッサの姿が扉の向こう側に消えると、ランドルフがおどけてそう言った。
「だが……ジェイもそのような顔ができるようになったのだな」
「ん?」
「幸せそうってことだ」
 ランドルフの満足げな微笑みに、ジェイラスの頬がわずかに緩んだ。
 シアはヘリオスの小さな手をしっかりと握りしめる。
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