【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
5.
エイミとホーガンは、逃げようとするフランクを捕まえたらしい。
呪具を用いて彼らの拘束から逃れようとしたらしいが、それより先にエイミの魔法がその呪具を封じた。
呪具を使えない彼は、魔法師の敵ではなかった。抵抗をあきらめ、おとなしくなったようだ。
だからてっきりエイミも忙しいのかと思い、シアにかけられている忘却の呪詛の解除も遅れるものだと考えていた。
しかしエイミは予定どおり行うと言う。
ヘリオスは今日もアンドリュー王子と過ごすことになっており、朝食を終えた頃、迎えがやってきた。ヘリオスは慣れたもので、顔なじみの侍女の姿を見るや否や、手をつないで「まま、またね」と手を振っていくのだから、現金なものだ。
「シアに使われている呪具を早く手に入れたいらしい」
二人きりになった室内で、ジェイラスが今まで仕入れた情報をシアに語り始めた。
「それは、エイミさんが? フランクが?」
「もちろん、エイミだ。フランクの身柄については、ヘバーリアに送ることになった」
ユグリ国で罪を犯した者は、国外の人間であってもユグリ国の法に則って裁かれる。
呪具を用いて彼らの拘束から逃れようとしたらしいが、それより先にエイミの魔法がその呪具を封じた。
呪具を使えない彼は、魔法師の敵ではなかった。抵抗をあきらめ、おとなしくなったようだ。
だからてっきりエイミも忙しいのかと思い、シアにかけられている忘却の呪詛の解除も遅れるものだと考えていた。
しかしエイミは予定どおり行うと言う。
ヘリオスは今日もアンドリュー王子と過ごすことになっており、朝食を終えた頃、迎えがやってきた。ヘリオスは慣れたもので、顔なじみの侍女の姿を見るや否や、手をつないで「まま、またね」と手を振っていくのだから、現金なものだ。
「シアに使われている呪具を早く手に入れたいらしい」
二人きりになった室内で、ジェイラスが今まで仕入れた情報をシアに語り始めた。
「それは、エイミさんが? フランクが?」
「もちろん、エイミだ。フランクの身柄については、ヘバーリアに送ることになった」
ユグリ国で罪を犯した者は、国外の人間であってもユグリ国の法に則って裁かれる。