【完結】記憶をなくした女騎士、子育てに奔走していたら元彼が追いかけてきたらしい
「あっ、いえ……あ、はい……」
 まさか話が自分のことに飛び火するとは思っていなかった。
「あなたは子どもに寄り添って、勉強を教えているように見えますが……。以前にも教師の経験がおありなのですか?」
「いえ……ここで教えるのが初めてだと思います……多分」
 最後の「多分」という呟きはシアの口の中に吸い込まれていく。だが、その言葉はしっかりとランドルフの耳に届いていたようだ。
「多分……? それは、どういう意味でしょうか?」
 背中に刺すような視線を感じたシアは、ランドルフとの話の途中だというのに振り返った。
「どうかされました?」
 そんなシアに、ランドルフは穏やかに声をかけてくる。
「い、いえ……なんでもありません……」
 気のせいだったろうか。シアの後ろにいるのは、ランドルフの護衛の騎士たちだけ。
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