(改稿版)小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
見渡すと、通りや店舗のあちこちがクリスマスの装いになっていて、イルミネーションも雰囲気を盛り上げている。

イブの夜・・イブの夜にプロポーズだ。

場所は自宅で、茉祐の好きそうなケーキを用意して、食事とワインは・・。

「祐一郎?」

「あ、ごめん。ちょっと考え事してた。
ところで、茉祐は年末の仕事の予定どうなってる?」

「年末? んー・・、外出があるのは23日までかな。そこから年始にかけては在宅で、依頼された翻訳をゆっくりやろうと思ってるよ」

「そうか。じゃあ24日の夜は家でクリスマスパーティーしよう。その日は日勤で翌日は当直だから、時間に余裕もあるんだ。
ケーキとワインは俺が手配するから、料理は茉祐に頼んでもいい? ケータリングの美味しいところ、どこかあるかな・・」

あくまでもクリスマスパーティーを装って、そこでプロポーズする。
それにしても、なんて言えばいいんだろうな・・・・。

「クリスマスかぁ・・。まさか一緒にクリスマスを過ごす相手がいるなんて、去年は考えてもみなかったな」

「俺も。普通は盛り上がってるドクターに、シフト調整頼まれたな」

去年の今頃は、まさか自分が1年後にプロポーズのセリフで頭を悩ませることになるなんて、予想もしなかったはずだ。

「あ、そういえば、最近片頭痛は? あんまり聞かないから、大丈夫なんだろうと思ってるけど」

ふと、出会った時のことが頭に浮かび、片頭痛の発作がないか気になった。

「うーん・・、最後いつだったかな・・。薬も減っていないし、専属ドクターの管理のおかげです」

「ハハ、お任せください」

彼女を悩ませていた片頭痛の発作はすっかり落ち着いたようだ。
初めて会った日のように、痛みに苦しむ姿を見ることもなくなっていた。



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