(改稿版)小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
9.エピローグ
『西島先生、総合病院から救急搬送が来ます。対応可能でしょうか?』

大学病院の集中管理センターから研究室に速報が入る。

「西島、頼めるか? あっちの救命ドクターからご指名らしい」

「小児の救命・・事故でしょうかね。行ってきます」

「後で状態教えてくれ」

高浜教授と短い会話をし、集中管理センターに向かう。
あっちの救命ドクター・・か。

搬送口に出て救急車を迎えると、やはり同乗していたのは大翔だ。

「西島先生、毎度指名して悪いな。子供の挫滅が広範囲で、どうしても力を借りたかったんだ」

「急ごう、野中先生。こっちだ」

用意していた子供用のセットで処置を始める。
麻酔をしているとはいえ、怖さもあり涙が止まらないようだ。

「こわいよね。泣いてもいいんだよ。看護師さんに手を握ってもらおうか」

そう話しかけると、子供が俺を見てゆっくりと頷いた。
近くにいた看護師が状況を察して、子供の手を握る。

きゅっと握り返しているところを見ると、手に力は入っていそうだ。
腕の神経や筋肉は大丈夫そうだな・・。

様子を見つつ、大翔と下肢の状態を確認しながら処置を進めていく。
治療方針や使用薬剤を話し合いながら、ひと通りの対応を終えた。

「やっぱりここに搬送して良かったよ。祐一郎となら、絶対に助けられると思ってたから」

そう言った大翔の肩を、俺はねぎらいの意味も込めてポンと叩いた。



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