(改稿版)小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
西島 祐一郎。33歳。
俺は、母校である医大と提携している総合病院の小児科医だ。
182センチと背が高く、周りに言わせると『塩顔』で穏やかな雰囲気が某俳優に似ていると言われることもある。
おそらく、彼の役柄が新生児科の医師だったから、小児科医の俺と重なっただけだろう。
自分では、似ていると思ったこともない。
勤務を終え、帰ろうとしたところで具合の悪そうな女性を見かけ、同い年で同期の救命医・野中 大翔がいる救急外来に飛び込んだというわけだ。
車椅子に乗せた女性が、大翔を見て小さくつぶやいた。
「ハ・・ル・・?」
「えっ?」
呼ばれた大翔は、驚いた声で女性の顔をのぞき込む。
『もしかして、茉祐子?』と呼びかけると、女性はこくんと頷いた。
知り合いか?と、俺は視線で大翔に問いかける。
「大学の同級生だ」
車椅子を押している俺に、大翔がそう言った。
「大学の・・。あ、僕は野中の同僚で西島といいます」
俺は救急外来の通路で車椅子を押す手を止め、前に回り込んで声を掛ける。
女性は俺を見上げて、力のない笑顔を見せた。
「あの・・平嶋です。急に片頭痛の発作が起きてしまって。助けてくださり、ありがとうございました」
「あ、いえ。たまたま通りかかって、良かったです。寒気は・・どうですか? 毛布を持ってきましょうか」
「はい・・お願いします」
女性を大翔に託し、俺は備品室に毛布を取りに向かう。
『ハル』『茉祐子』なんて、随分と親しそうな感じだ。
同級生だと言っていたけれど、それ以上・・とか?
ふたりの関係が気になったものの、早く女性に毛布を届けなければと思い直し、急いで救急外来に戻った。
俺は、母校である医大と提携している総合病院の小児科医だ。
182センチと背が高く、周りに言わせると『塩顔』で穏やかな雰囲気が某俳優に似ていると言われることもある。
おそらく、彼の役柄が新生児科の医師だったから、小児科医の俺と重なっただけだろう。
自分では、似ていると思ったこともない。
勤務を終え、帰ろうとしたところで具合の悪そうな女性を見かけ、同い年で同期の救命医・野中 大翔がいる救急外来に飛び込んだというわけだ。
車椅子に乗せた女性が、大翔を見て小さくつぶやいた。
「ハ・・ル・・?」
「えっ?」
呼ばれた大翔は、驚いた声で女性の顔をのぞき込む。
『もしかして、茉祐子?』と呼びかけると、女性はこくんと頷いた。
知り合いか?と、俺は視線で大翔に問いかける。
「大学の同級生だ」
車椅子を押している俺に、大翔がそう言った。
「大学の・・。あ、僕は野中の同僚で西島といいます」
俺は救急外来の通路で車椅子を押す手を止め、前に回り込んで声を掛ける。
女性は俺を見上げて、力のない笑顔を見せた。
「あの・・平嶋です。急に片頭痛の発作が起きてしまって。助けてくださり、ありがとうございました」
「あ、いえ。たまたま通りかかって、良かったです。寒気は・・どうですか? 毛布を持ってきましょうか」
「はい・・お願いします」
女性を大翔に託し、俺は備品室に毛布を取りに向かう。
『ハル』『茉祐子』なんて、随分と親しそうな感じだ。
同級生だと言っていたけれど、それ以上・・とか?
ふたりの関係が気になったものの、早く女性に毛布を届けなければと思い直し、急いで救急外来に戻った。