（改稿版）小児科医の恋愛事情 ～ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ～

白いシャツのボタンを開け、現れた鎖骨に唇を強く押し付ける。
とっくに消えたキスマークの場所に、くっきりとした赤い跡を残した。

露出する肌の面積が増えるにつれ、押し倒したソファの表面が熱くなるほどに、彼女の体温が上がっていく。

彼女にこうしていいのは、俺だけのはず。

そんな想いで全身にくまなく触れ、別の男の痕跡を探す。
その行為は、ただただ彼女を潤し、俺自身を熱くした。

したたるほどの蜜が、早くと俺を誘っている。

ふと、我に帰る。
確かめる場所は、もうここしかない。

きっと、わかるはずだ。
もし他の男に抱かれていれば、密着すればするほど違和感があるはずだから。

俺は準備を整え、息の上がった彼女の身体を引き寄せて、上から見つめる。

目も充血していて、肌もしっとりと濡れていて、何とも言えない表情を浮かべていた。

それは、なんらかの後ろめたさを押し隠すようなものではなく、これからやってくる熱い波をただ求めているように見えた。


「ゆう･･いちろ･･」


そう囁き、彼女は俺の後頭部に指を這わせて自分に引き寄せた。

彼女の舌が俺の唇をなぞり、薄く開いた隙間から入ってくる。

お互いの舌が絡んだ瞬間、俺は目を閉じ、気持ちを集中させて彼女の蜜の中に身を沈めた。


「･･くっ････」


探るように緩く動いても、重なり方や角度を変えても、彼女の粘膜は執拗に俺を追いかけてくる。
締め付けて離さない密着度に、違和感は無い。

つまり、他の男を感じない。

どういうことだ･･？
あの男には、抱かれていないということか？