(改稿版)小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
7.真実
車をホテルの駐車場に預け、俺は国際会議場に向かう。
もし早く着いたら仕事中の彼女を見ることができるかもしれないと、事前に高浜教授から、一時的に入場可能なテンポラリパスを出してもらっていた。
『西島は会議を聞きに行くんじゃなくて、彼女を見に行くのか?』
そんなふうに揶揄われた。
受付を済ませ、会場のスタッフにドアを開けてもらい大会議室に入る。
見渡すと、演台からほど近い場所にいくつかデスクが並べられていて、そのひとつに彼女が座っていた。
ディスカッションの内容を逐次翻訳しているのだろう。
彼女のタイピングの動きと連動して、演台後ろの大きなスクリーンにほぼリアルタイムで字幕が表示される。
「すごいな・・茉祐」
家で翻訳作業をしている様子はいつも見ているけれど、実際に現場で仕事をしている彼女を見るのは初めてだった。
あの女性が俺の彼女で、俺の未来の・・だよな・・。
そう考えるととても誇らしく、会議室の端からしばらく彼女を見つめていた。
高浜教授の言ったとおり、会議の内容は全く耳に入っていないが。
16時が近くなった頃、会議は10分間の休憩に入った。
彼女はヘッドセットを外し、隣の席の男性と言葉を交わして会釈する。
すると、その男性がヘッドセットを着用してタイピングを始め、会議再開についての案内字幕を表示させたのを見て、交代したのだと思った。
機材や書類をバッグに入れ、演題脇のドアから会議室を出た彼女を追いかけようと、俺も後方のドアから出て彼女を探す。
会議室の外は、トイレに行く人や喫煙所に行く人、挨拶を交わす人でごった返していた。
どこだ・・。
このままだと、見つける前に彼女は国際会議場を出てしまう。
休憩時間が終わりに近づき、だいぶ人の数が減ってきたところで、ようやく彼女らしき後ろ姿を見つけた。
もし早く着いたら仕事中の彼女を見ることができるかもしれないと、事前に高浜教授から、一時的に入場可能なテンポラリパスを出してもらっていた。
『西島は会議を聞きに行くんじゃなくて、彼女を見に行くのか?』
そんなふうに揶揄われた。
受付を済ませ、会場のスタッフにドアを開けてもらい大会議室に入る。
見渡すと、演台からほど近い場所にいくつかデスクが並べられていて、そのひとつに彼女が座っていた。
ディスカッションの内容を逐次翻訳しているのだろう。
彼女のタイピングの動きと連動して、演台後ろの大きなスクリーンにほぼリアルタイムで字幕が表示される。
「すごいな・・茉祐」
家で翻訳作業をしている様子はいつも見ているけれど、実際に現場で仕事をしている彼女を見るのは初めてだった。
あの女性が俺の彼女で、俺の未来の・・だよな・・。
そう考えるととても誇らしく、会議室の端からしばらく彼女を見つめていた。
高浜教授の言ったとおり、会議の内容は全く耳に入っていないが。
16時が近くなった頃、会議は10分間の休憩に入った。
彼女はヘッドセットを外し、隣の席の男性と言葉を交わして会釈する。
すると、その男性がヘッドセットを着用してタイピングを始め、会議再開についての案内字幕を表示させたのを見て、交代したのだと思った。
機材や書類をバッグに入れ、演題脇のドアから会議室を出た彼女を追いかけようと、俺も後方のドアから出て彼女を探す。
会議室の外は、トイレに行く人や喫煙所に行く人、挨拶を交わす人でごった返していた。
どこだ・・。
このままだと、見つける前に彼女は国際会議場を出てしまう。
休憩時間が終わりに近づき、だいぶ人の数が減ってきたところで、ようやく彼女らしき後ろ姿を見つけた。