婚約者を寝取った妹と浮気した婚約者に命懸けの復讐をしようと思います〜その後待っていたのは溺愛でした〜
でも、イリナは聖女だから、当てはまらない項目が多いけれど死ぬことなないわよ。

ただ、無傷ですむかは分からないけれど。

私は聖女でないから、本来なら死ぬはず……


でも、儀式を冒涜する出来事が起こると、冒涜した者には裁きが下る。


私の聖水だけ少し濁っていたわ。
急いでいたのか完全に解けきっていないのに置いたでしょ?

ねぇ、レオナルド殿下、どうしてそんなに殺したいほど私を嫌うの?

あなたがもっと正式な手順をふんで、イリナとの婚約を望めばよかったじゃない。

イリナの行動を改めさせて勉強を勧めて、周囲を納得させる気概を見せないのはどうして?

私は婚約者として、ずっと努力してきたのに、こんな形で終わりになるなんて……


さようなら、


✳︎✳︎✳︎


「おはよう、愛しいユリア、よく眠れたかい?」


爽やかな声色で耳元に語りかけられてぱっちりと目を開ける。
「カイル、おはよう」

サファイアのような瞳が憂いを帯びて大きくなる。これ以上の幸せはないという笑顔をカイルは向けてくれる。

私はカイルに抱きしめられて朝を迎えていた。

亡命してからもう数ヶ月はたつ。
まさか、こんなに幸せな生活が送れるなんて思ってもみなかった。

この日のためにカイルは根回ししていたようで、新居も身分も全て準備してくれていた。


聖水を飲んで意識不明になったのは、イリナも同じだった。

混乱に乗じてカイルは私を連れて他国へと転移してくれた。


目が覚めるとイリナは声を失っていたそうだ。グラスから毒物が検出されていた。儀式を冒涜したからか、聖女と関係を持っていたからか、レオナルド殿下は下半身不随となり車椅子生活を送っているそうだ。

勿論、今回の件で廃嫡となったが、王命でイリナと結婚。

邸ではレオナルド殿下の怒号と、物を投げつけるイリナの奇行が繰り返されているそうだ。

けれど二人のことは、

名誉の負傷を負ったレオナルドと、かいがいしく世話をする声を失った聖女

と、表向きにはなっている。


忽然と姿を消したユリアと、筆頭魔術師カイルのことは、有能な二人に見限られた国と思われる訳にいかないので、箝口令が敷かれている。

私の能力は、能力というのかしら、ご先祖様の加護なのかしらね。

自殺防止魔法が、かかっているの。
自分の意志では死ねないの。
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