婚約者を寝取った妹と浮気した婚約者に命懸けの復讐をしようと思います〜その後待っていたのは溺愛でした〜
国王夫妻が国外に行かれている不在の今だからこそ、レオナルド殿下が執り行うのだ。

国王陛下は私の努力を認めてくれているし、王妃殿下にも目をかけていただいている。

イリナが聖女だからといって、婚約解消は認めない方針だ。だから、今までのように稚拙な計画ではなく、確実に私を抹殺しようと企んでいる。

二人の会話が聞こえていないと思っているのかしらね。

「イリナ、万が一のために解毒剤を飲んでおくんだ。君は本物だから大丈夫だと思うけれど、ユリアが何を企んでいるか分からない。それに━━するから。」


「レオナルドさまぁ、私は正真正銘の聖女なんですぅ。でも、偽物のお姉様には分からせてあげないといけませんものね。心配性のレオナルド様のためにも解毒剤は飲んでおきますね。だから、お姉様のグラスに━━」

カイルに大丈夫、覚悟はできていると目で合図をして、彼の側を通り過ぎて祭壇へと向かう。


祭壇には聖水の入ったグラスが置かれている。

もう後戻りは出来ない。

聖女ではないものがこの聖水を口にすると、命を落とす。

せめてもの慈悲なのか、苦しみもなく即死できるらしい。
私とイリナは一気に聖水を飲み干した。

そしてぷつりと意識を失った。

✳︎✳︎✳︎



私は聖女ではない。

どちらが正しいかはっきりさせたいだけ。

浮ついた心で何も学ぼうとしないイリナへ忠告したでしょう。

あなたはどちらが聖女であるかはっきりさせましょうと言っていたけれど。

何度も言っているわよね。
聖女は、あなただと。

でも、聖女の儀式の条件を満たしてないけれどね。

この儀式が行われなくなったのは、道徳的な部分もあるけれど考え方の変化もあるのよ。

光魔法を使えること、
清らかな乙女であること、
殺生を行っていないこと、
肉を食していないこと、
全ての民に無償の愛を注ぐこと、
人を欺き裏切らないこと
以下略


とにかく細かく聖女の条件が記載されているの。国民の理想像の聖女の項目だから、あまりにも現実的ではなく、廃止になったのだけどね。

古は魔力持ちの家系は、生まれた時からベジタリアンを貫いたそうよ。
純潔を守るのは当然だけれど、最近は初夜にこだわらない風潮もあるし、聖女だから正妃になるとは限らないしね。
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