落ちてく、上がってく

そうわたしは今美容院に髪を切りに来てる
いつまでも引きずっていたくない想いを断ち切る為に

あの人が『髪が綺麗だね』って言ってくれたから
わたしはずっと髪を伸ばしてた
その髪を今わたしは切ってる…

あの人と過ごした時間と切られた髪の長さは比例してたんだな…なんてふと思う
だったらその髪を切った今のわたしは新しいわたしだけのわたし

軽くなったわたしの頭と同じように心も軽くなんないかな…なんて思ってると失恋して髪を切る人がいる理由がなんとなくわかる気がした

【後ろ、こんな感じでどうですか?】

美容師さんの声でまた我に返る
合わせ鏡の三面鏡で後ろ髪を確認する

「あ、ちょうどいい感じです」

【ありがとうございます じゃあ頭流しますのであちらまでお願いします】

カットクロスを脱いでスタイリングチェアを降りるわたしはなんだか軽やかだった
シャンプー台で頭を流されてる時の髪の感覚に驚く
タオルで頭を拭かれスタイリングチェアへと促される

スタイリングチェアに戻って鏡の中の自分を見て更に心が弾む 床に散らばってたわたしの髪は綺麗になくなってた ドライヤーで髪を乾かされながらブローに入る

【どのような仕上がりがご希望でしょうか?】

鏡の中のわたしを見ながらに問いかける美容師さん

「ナチュラルに わたしらしく!!」

【わたしらしく…ですか? 承知しました】

クスッと笑みを浮かべながらブローしてくれる美容師さん しまった、わたしらしくってなんだ?
鏡の中のわたしが二度目の照れ笑いしていた
切られた髪がまとまってくのを見てわたしの気分が高揚して行くのがわかる

【ありがとうございました】

美容院から出てく足取りは更に軽かった
今のわたしならなんでもできそうな気がした
それは新たなわたしをわたしが発見できたからに他ならなかった



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