虹のひかり
しばらくすると、少女は部屋に戻ってくる。
…はずだった。
いつもなら、しばらくすると、部屋に戻ってきて、ぐすぐす泣きながら、私を『ぎゅっ』とするのに。
今日は、【いつも】じゃない。
私はさっきより、もっと変な感じになった。
もっと、もっと、時間が長く感じた。
私は、足をもってはいるけれど、歩く力をもってはいなかった。
だけど、歩きたい。
歩きたい。
少女の近くに行きたい。
歩きたい。
歩きたい。
歩きたい。