過保護な医者に心ごと救われて 〜夜を彷徨った私の鼓動が、あなたで満ちていく〜
救急搬送口にサイレンの音が近づき、ストレッチャーが押し込まれると、ERの空気が一気に緊迫する。
担架の上には蒼白な顔の若い女性。
意識は朦朧としており、うわ言のように何かを呟いている。
付き添っていた救急隊が、救急科の医師にすぐに報告を始めた。
「25歳女性。キャバクラ勤務中に意識が低下。酒を勧められていたとのことで、急性アルコール中毒の疑い。搬送時、意識レベルはJCSⅡ。店から本名の確認を取り、“大原雪乃”と判明しました。既往歴は店側も把握していません。」
ストレッチャーが処置室に運び込まれ、ERの医師が素早く患者の全身状態を確認する。
「体温36.1度。脈拍速い、血圧90台、SpO₂は88、補助呼吸あり。顔色悪い。反応も鈍いな……」
チームの一人が酸素投与を開始しながら、声をかける。
「大原さん、わかりますか? 今、病院ですよ」
彼女の目はわずかに開くが、焦点は定まらない。
そのとき、扉が開いて白衣の男性が入ってきた。
神崎だった。
彼の顔を見た救急医が、手を止めずに簡潔に状況を伝える。
「神崎先生、“大原雪乃”さんです。急性アルコール中毒の疑いで、意識レベル低下、バイタル不安定。店側からの情報では、既往歴は不明とのことでしたが、カルテ上は心室中隔欠損ありとのことです。」
神崎はストレッチャーの脇に立ち、彼女の顔を一瞥する。
口唇がやや紫がかっている。
呼吸も不規則で、胸郭の動きに無駄な力が入っていた。
神崎の声は冷静で明晰だった。
「まずは循環と呼吸を安定させましょう。血液ガス取って、心電図準備。エコーも早めに。」
救急チームがその指示に従って動き出す中、神崎の視線はベッドの上の雪乃に、少しだけ長くとどまった。
いつもと違うその姿に、わずかに眉が動いた。
担架の上には蒼白な顔の若い女性。
意識は朦朧としており、うわ言のように何かを呟いている。
付き添っていた救急隊が、救急科の医師にすぐに報告を始めた。
「25歳女性。キャバクラ勤務中に意識が低下。酒を勧められていたとのことで、急性アルコール中毒の疑い。搬送時、意識レベルはJCSⅡ。店から本名の確認を取り、“大原雪乃”と判明しました。既往歴は店側も把握していません。」
ストレッチャーが処置室に運び込まれ、ERの医師が素早く患者の全身状態を確認する。
「体温36.1度。脈拍速い、血圧90台、SpO₂は88、補助呼吸あり。顔色悪い。反応も鈍いな……」
チームの一人が酸素投与を開始しながら、声をかける。
「大原さん、わかりますか? 今、病院ですよ」
彼女の目はわずかに開くが、焦点は定まらない。
そのとき、扉が開いて白衣の男性が入ってきた。
神崎だった。
彼の顔を見た救急医が、手を止めずに簡潔に状況を伝える。
「神崎先生、“大原雪乃”さんです。急性アルコール中毒の疑いで、意識レベル低下、バイタル不安定。店側からの情報では、既往歴は不明とのことでしたが、カルテ上は心室中隔欠損ありとのことです。」
神崎はストレッチャーの脇に立ち、彼女の顔を一瞥する。
口唇がやや紫がかっている。
呼吸も不規則で、胸郭の動きに無駄な力が入っていた。
神崎の声は冷静で明晰だった。
「まずは循環と呼吸を安定させましょう。血液ガス取って、心電図準備。エコーも早めに。」
救急チームがその指示に従って動き出す中、神崎の視線はベッドの上の雪乃に、少しだけ長くとどまった。
いつもと違うその姿に、わずかに眉が動いた。