過保護な医者に心ごと救われて 〜夜を彷徨った私の鼓動が、あなたで満ちていく〜
一通りの緊急処置が終わり、雪乃は酸素マスクをつけたままベッドを移されていく。

神崎は付き添って付き合うように廊下を歩きながら、内心で複雑な思いが渦巻いていた。

「なぜ、こんな事態になってしまったのか……」

キャバクラで働く彼女の姿は知っていた。

だが、あの病気のある身体を本当に理解しているのか?

自分の体に何が起こるか、どれだけ繊細な管理が必要か、どれほど危険な状況にあるか――その自覚がどこまであるのだろうか。

治療中、何度も体調の波に揺れ動く雪乃を見て、神崎は歯がゆさを感じていた。

もっと早く、もっと根本的な支援ができていれば、彼女はここまで追い詰められなかったのではないか。

けれど、同時に救急搬送からここまで無事にたどり着けたことに、安堵の気持ちもあった。

「命を助けられてよかった」――その想いは確かにあった。

しかし、胸の奥底には言葉にできない苛立ちもあった。

この子の身体が叫んでいるのに、本人がその叫びに耳を傾けられていないように見えることが、もどかしかった。

自分が医者としてできることは限られている。

そう思いながら、神崎は病棟のエレベーターの扉が閉じるのを見つめていた。
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