四神の国の白虎さま
白虎と颯真
四神の国フォルスティア。その西の街西端に浮かぶ小さな島に暮らす俺は、島を囲うように浮かぶ雲の塀に腕を乗せて街を見下ろしていた。

「白虎(びゃっこ)さん、こんにちは」

見下ろしていると、そんな声が聞こえてきて、俺は声がした方へと顔を向ける。

「颯真(そうま)、いらっしゃい」

そこにいたのは、黒髪に水色の瞳の男性がいた。今から1か月ほど前に、俺と同じ四神の朱雀(すざく)の側近になった魔力持ちの元人間。

「朱雀さまから、白虎さんが呼んでいる、というのを聞いて来たんですけど……」

今から数時間前、起きたばかりの朱雀に、颯真に来てもらうように連絡を入れていた。

「……来てくれてありがとう。実は、颯真に渡したい物があってね」

俺はそう言って、颯真を家の中に入れる。客間の机の上に置かれたとあるものを、颯真に見せた。

「……服?」

「そう。新しい服を作ってみたの……入るかどうかは、分からないけどね」

「……作って、みた……?」

颯真が首を傾げたのを見て、俺は「そういや、言ってなかったっけ……」と苦笑する。

「俺、裁縫が趣味で……四神の皆の服を作ったの、俺なんだよね」

「凄いですね。僕、こんな服作れませんよ……」

俺から服を受け取って広げながら、颯真はそう言った。
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