主人公の座、返してもらいます!〜私が本物の主人公だったらしいので華麗に人生を取り返してみせようと思います〜
けれど、彼の瞳には「知っている」という色はなかった。ただ、葬列に立つ少女を見た、それだけ。

(――やっぱり、気づかれていない)

その隣には、聖下の息子アルビオン皇子殿下と、さらに二人の子供が寄り添っていた。

薄灰色の髪と青みを帯びた灰色の瞳――彼らは聖下の養子らしく、仲の良い兄妹のように見えた。

私は知らない。あの二人と聖下になんの関係があったのか、なぜ養子を取ったのか。

ただ一つ分かったのは、この父には、私以外の「子供」がたくさんいるということだった。

思ったよりも胸が冷えた。

それでも、私は立ち尽くしたりしない。ここで、あの人にすがったり、自分が見捨てられたと泣くつもりもない。

告別の儀が終わった後、参列者たちは徐々に霊廟を後にしていった。

私も列を外れ、王家の人間しか入れない霊廟の裏手に出ると、そこにはすでに叔父様がいた。

彼は重たい式服のまま壁に背を預け、ほんの少しだけ肩の力を抜いていた。

「ラティ。……よく、耐えたな」

その穏やかな声に、私はようやく肩の緊張を緩めることができた。

「ありがとうございます、叔父様。……少し、疲れました」

ふと、祭壇のほうから白銀をまとった人物が姿を現した。聖下だった。
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