呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

 そうして今日、魔塔広場での婚約発表を終えたラシェルは、ようやく研究所へと向かうことが出来る。
 明日にも結婚式を挙げようというエスティリオを皆で宥め、なんとか3ヶ月後まで引き伸ばしたのだが、なぜそんなに急くのかと聞くラシェルに、エスティリオは悩ましげにため息をついていた。

「誰かに取られないか心配なんだよ。だって変身を解いた後の、みんなのラシェルを見る目を見た?! いくら美人だからって、態度変えすぎだろ??! 絶対、横取りしようとする奴が出てくるから」
「横取りだなんて……。私はエスティリオ以外の人と結婚するつもりなんてないわよ」
「あーもう、惚気けるのもいいですけどね。普通に考えて、貴方からラシェル様を取ろうなんて考える命知らずな人、いませんから」

 アルノートをはじめとする侍従達に、呆れられてしまったことを思い出すと、今でも恥ずかしい。

 いつもの研究官としての服に着替えて薬草畑へと急ぐと、ナタリーとアルベラが畑仕事をしている。

「ナタリー、アルベラさん! 随分とここを空けてしまってごめんなさい」

 予定が押してしまって、と付け加えるラシェルに、二人はポカンと口を開けている。

「えっと……。あなた誰……?」
「ナタリー、この人さっき、魔塔主様の隣で紹介されていた……」
「え? え? 皇女様??」
「うふふ、エル改めラシェルよ。訳あって変身薬を飲んでいたのだけど、やっと元の姿に戻ったの。これからはラシェルって呼んでね」
「「ぅえええええーーーーっっ!!!」」

 この後、魔法薬部を訪れたラシェルが同様にして絶叫されたことは、言うまでもない。


              おわり
 
 
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