四神、騎士団と出会う【四神の国の朱雀さま×あやかし戦記】
「この森だ。最近、よく妖が現れるのは」
とある森の入口。1番先頭を歩く紫がかった髪に黒目の男性――ギルベルト・エーデルシュタインは、くるりと皆の方を向きながら言う。
朱雀たちの住む世界から見て、異世界にあたる場所にある、とある組織・アレス騎士団。妖を討伐し、人々を守るのが仕事だ。
ギルベルトは、数日前から妖の数が増えていることに頭を悩ませている。
またもや発見された妖の討伐及び調査のために、アレス騎士団団員であるイヅナ・クリアウォーター、レオナード・ロマーナ、ヴィンセント・レゴシ、ツヤ・シノノメ、ギルベルトの5人は森に来ていた。
「くれぐれも、勝手なことはしないように」
ギルベルトはそう言うと、躊躇いもなく森の中へと足を踏み入れる。
「えー、この中に入るのかよ……」
嫌そうな顔をするレオナードに、ヴィンセントは「仕方ないでしょ、仕事なんだから……」と言った。
「そ、そうよ!私だって、怖いんだから……」
「……おい、お前ら。ギルベルトを待たせる気か!」
イヅナ、レオナード、ヴィンセントの3人が森の中に入れずにいると、後ろから3人の上司であるツヤの声が飛んでくる。
「……すみません……」
3人が声をそろえると、ギルベルトはふふっ、と笑った。