四神、騎士団と出会う【四神の国の朱雀さま×あやかし戦記】
そして、5人は森の中に入り探索し出す。

「……妖が発見された場所は、ここを真っ直ぐ行った場所だ」

そう言って、ギルベルトは足を進めた。歩いていると、開けた場所に出る。

その真ん中には、伸びたオレンジの髪を一つに束ねた男性が、イヅナたちに背を向けた状態で倒れていた。

「大丈夫ですか!?」

それを見つけたイヅナは、男性に駆け寄り、レオナードとヴィンセントもイヅナの後を追う。

見たことのない服装に、ヴィンセントは(この辺の子じゃないのだろうか……)とどこか冷静な頭で思う。

「なぁ、ギルベルト」

その場から動かずに、ツヤは目を細め、鋭く男性を見つめた。

「あぁ、言いたいことは分かる」

ツヤは嫌な匂いを、ギルベルトは嫌な気配をそれぞれ感じたのだ。

ヴィンセントが男性の体を揺さぶると、男性――朱雀は目を覚ます。

「……良かった……あの、大丈夫ですか?」

朱雀は体を起こすと、キョロキョロと辺りを見渡し、イヅナたちと目を合わせると小首を傾げた。

(……明らかに、僕のことを見ているよね。どうして、僕の姿が見えているんだ?颯真と同じ、魔力持ちだったりするのかな……)

「……ねぇ、この子……保護した方がいいよね」

「妖が出るんだろ?1回、拠点戻るか?」

朱雀がいろいろと考え事をしている間、イヅナとレオナード、ヴィンセントの間ではその話が進んでいく。
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