青空に輝く君に恋した日


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やっと1限目(いちげんめ)が終わった。

よし、お礼言(れいい)いに行こう!

…っていっても一ノ瀬(いちのせ)くん、人気者(にんきもの)だからなかなか一人(ひとり)にならないんだよね…。

でも、勇気(ゆうき)だして(たす)けてくれたんだ。

(わたし)勇気出(ゆうきだ)そう!

そう意気込(いきご)み、(おそ)(おそ)(はな)しかける。

「あ、あの……!」

(こえ)をかけると、(まわ)りに(あつ)まっていた(ひと)たちが(おどろ)いた(かお)でこっちを()いた。

一ノ瀬(いちのせ)くんもだ。

うぅ……。やっぱり(こえ)かけない(ほう)()かったかも…。

「ちょっと俺話(おれはな)すからみんな一旦席外(いったんせきはず)してくれない?」

え……。

(わたし)(かお)を上げる。

「お、おう…。」  「夏樹(なつき)くんがそう()うなら…。」

と、(まわ)りに(あつ)まっていた(ひと)はどんどんいなくなっていく。

「ごめん、何だった?」

一ノ瀬(いちのせ)くんは微笑(ほほえ)んだ。

え、笑顔(えがお)(まぶ)しい………。

「え……と…。さ、さっき(たす)けてくれてありがとうございました…!」

よし、()えた…!

「え!いや全然(ぜんぜん)(たい)したことないよ!」

「いや、でもお礼言(れいい)いたくて…。(はな)しかけちゃいました…。」

(わたし)はめっちゃ(たす)かったんだよ…!

「てか、(なん)敬語(けいご)普通(ふつう)にタメ(ぐち)でいいよ?」

「そ、そんな……!(おそ)()ります……!」

「ははっ、(おそ)()るって…!同学年(どうがくねん)でクラス(おな)じなんだからタメ(ぐち)でいいって!」

「は、はい……。()かりました…あ、うん()かったよ…?」

「そーそー。(おれ)のことは夏樹(なつき)でいいから。(おれ)冬歌(ふゆか)さんって呼ぶね!」

そう()って一ノ瀬(いちのせ)くん……ううん、夏樹(なつき)くんは(わたし)(わら)いかけた。

わぁ、冬歌(ふゆか)さん…か…。

(はじ)めて男子(だんし)名前呼(なまえよ)ばれたかも…。

「なーつき!なーに(はな)してんの!」

(わたし)がしみじみしてたら、(きゅう)一人(ひとり)(おんな)()夏樹(なつき)くんの(かた)(たた)いた。

「うわっ!なんだ咲良(さくら)か…。せっかく()雰囲気(ふんいき)だったのにぶち(こわ)しだぜ…。」

「おいー!なんだとはなんだ!」

その(おんな)()はプリプリしながら夏樹(なつき)くんと(はな)している。

わぁ、可愛(かわい)らしい()だなぁ…。

()がくりっとしていて、スタイルもいい。

夏樹(なつき)くんとどういう関係(かんけい)なんだろ…。

もしかして彼女(かのじょ)…とか…?

…って何考(なにかんが)えてるの(わたし)!どんな関係(かんけい)でも(わたし)には関係(かんけい)ないじゃん!

(わたし)1人(ひとり)(かんが)えていると、夏樹(なつき)くんが紹介(しょうかい)してくれた。

「あ、ごめん冬歌(ふゆか)さん!こいつは神楽咲良(かぐらさくら)っていうんだ!(おれ)幼馴染(おさななじ)み!」

あ、そーだったんだ…。

なぜかほっとしてしまった。

……?

「へー!冬歌(ふゆか)ちゃんっていうの!めっちゃ可愛(かわい)い〜!(わたし)のことは咲良(さくら)って()んで!よろしく!」

は、(はや)いなぁ…。

それに、(わたし)には可愛(かわい)いっていう言葉(ことば)似合(にあ)わないよ…。

「よ、よろしく…?」

「よろしくねぇ!」

あ、(あか)るい…。

(わたし)とは正反対(せいはんたい)性格(せいかく)だなぁ。

…………って

(いま)さ…。男子苦手(だんしにがて)になってから(はじ)めてまともに(はな)したよね!?

なんか、不思議(ふしぎ)夏樹(なつき)くんは(こわ)くなかったっていうか…。

どうしてだろう…?
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