こちら元町診療所
1日の業務が終わり、みんなが帰り支度をする中、私のデスクの側まで来た課長
が遠慮がちにそう伝えてきた。
お姉ちゃんの事をよく分かってるから
こそ、今は黙っててくれるのだろう。
「うん、ありがとう‥‥お義兄さん。」
『えっ!!?い、今‥‥ッ‥
聞き逃した!!やっちゃんもう一度
言って!!』
「もう言いません!お疲れ様でした。」
『やっちゃーーん!!』
今にもスマホを取り出して録音でも
しそうな勢いにギロッと睨みをきかせて
追い払うと、残りの事務作業をしつつ
私も帰り支度を始めた。
先生が送ってくれると言ったものの、
もう18時だし流石にあの彼はここには
居ないだろうから大丈夫な気もする。
診察内容をカルテでチェックしたら、
急性胃炎と診断されていたから、
やっぱり来院したのは偶然だ。
5年前と住んでる場所も違うし、
もう会うことはないと思いたい‥‥。
『もうすぐ終わるから少しだけ
待ってて?栄養のある美味しい
ご飯でも食べに行こう。』
診察室の椅子に腰掛けて仕事をする先生
の邪魔しないように待つことにした。
帰れないこともなかったけど、
なんとなくそばにいてほしいと
思えてるのかもしれない。
あの腕の中の温かさを今までの恋人達も
知ってるかと思うと、自分勝手だけど
嫌だと思えてしまう。
どうして先生は私のような普通の
事務員がいいのだろう‥‥?
特に美人でもなく、スタイルもいいわけじゃないし、先生ならもっと素敵な人を選び放題な気もする。
はっ!‥‥‥もしかして‥ドMとか?
先生に対する数々の暴言や酷い態度にも
屈せず笑顔だったし、第一印象なんて
変態と思っていた。
『お待たせ。結局最後に
なっちゃったな。鍵を閉めるから、
車に先に乗ってて?』
今日だけは素直に甘えさせて貰おう‥。
高級な食事は奢れなくても、普通の
外食程度なら私にもお金が出せるから、
たまにはそんな時間も過ごしてみたい。
『靖子!遅かったな。』
えっ?
車の前まで行き、ドアに手をかけようと
した途端聞こえた声に、体がビクッと
震え固まった。
が遠慮がちにそう伝えてきた。
お姉ちゃんの事をよく分かってるから
こそ、今は黙っててくれるのだろう。
「うん、ありがとう‥‥お義兄さん。」
『えっ!!?い、今‥‥ッ‥
聞き逃した!!やっちゃんもう一度
言って!!』
「もう言いません!お疲れ様でした。」
『やっちゃーーん!!』
今にもスマホを取り出して録音でも
しそうな勢いにギロッと睨みをきかせて
追い払うと、残りの事務作業をしつつ
私も帰り支度を始めた。
先生が送ってくれると言ったものの、
もう18時だし流石にあの彼はここには
居ないだろうから大丈夫な気もする。
診察内容をカルテでチェックしたら、
急性胃炎と診断されていたから、
やっぱり来院したのは偶然だ。
5年前と住んでる場所も違うし、
もう会うことはないと思いたい‥‥。
『もうすぐ終わるから少しだけ
待ってて?栄養のある美味しい
ご飯でも食べに行こう。』
診察室の椅子に腰掛けて仕事をする先生
の邪魔しないように待つことにした。
帰れないこともなかったけど、
なんとなくそばにいてほしいと
思えてるのかもしれない。
あの腕の中の温かさを今までの恋人達も
知ってるかと思うと、自分勝手だけど
嫌だと思えてしまう。
どうして先生は私のような普通の
事務員がいいのだろう‥‥?
特に美人でもなく、スタイルもいいわけじゃないし、先生ならもっと素敵な人を選び放題な気もする。
はっ!‥‥‥もしかして‥ドMとか?
先生に対する数々の暴言や酷い態度にも
屈せず笑顔だったし、第一印象なんて
変態と思っていた。
『お待たせ。結局最後に
なっちゃったな。鍵を閉めるから、
車に先に乗ってて?』
今日だけは素直に甘えさせて貰おう‥。
高級な食事は奢れなくても、普通の
外食程度なら私にもお金が出せるから、
たまにはそんな時間も過ごしてみたい。
『靖子!遅かったな。』
えっ?
車の前まで行き、ドアに手をかけようと
した途端聞こえた声に、体がビクッと
震え固まった。