君の隣が、いちばん遠い
②わたしだけの想い、あなただけの秘密
今年のクリスマスが近づくたび、心の奥がそわそわしていた。
教室の窓から見える冬空は透き通るように青い。
指先がかじかむほどの寒さが、胸の奥だけはぽっと熱くしてくれる。
この時期の街はどこを歩いてもイルミネーションや赤と緑の装飾で彩られていた。
通りすがるカップルたちの笑い声が妙に耳に残る。
もうすぐ、一ノ瀬くんと付き合って一年になる。
わたしはその日が、何よりも楽しみで、そして少しだけ不安だった。
――何をあげたら、一ノ瀬くんは喜んでくれるんだろう。
美帆ちゃんに付き合ってもらったプレゼント選びでは、最後までプレゼントを決めきることはできなかった。
今日こそはという思いとともに、わたしは週末、一人で駅前のショッピングモールへと向かった。
ウィンドウに映る自分の顔は、心なしかいつもより真剣だった。