あやかしと四神〜闇を祓って〜
朱雀が聞き返すと、イヅナは「少し長くなるけど」と前置きをして以前人間農園に食用児として潜入した話をしてくれた。話を聞き終わった後、朱雀は大きく息を吐く。
「……君、ツヤさんに暴力振るわれたの?」
「暴力というか、あの時はツヤさんはそうせざるを得なかったから仕方なかったのよ。結果的に農園は潰せたからよかった」
そう真っ直ぐな目で話すイヅナに、朱雀の心が締め付けられる感覚を覚える。それまでアレス騎士団は敵だと認識していた彼の考えが、少し変わろうとしていた。
(アレス騎士団も、僕たちと同じように誰かを守りたいだけなんじゃないか……)
朱雀が口を開きかけたその時だった。拍手と誰かの話し声が響く。そして悪魔たちが人の入った檻を一つずつ運んでいく。
「嫌だ嫌だ!!助けて!!」
「ここから出して!!」
人の泣き叫ぶ声が大きくなる。朱雀はイヅナと顔を見合わせた。二人の真剣な瞳が重なる。
「いよいよ始まったね」
「……ええ」
遠くから拍手や歓声が響いてくる。次々と人が落札されているのだろう。
「……君、ツヤさんに暴力振るわれたの?」
「暴力というか、あの時はツヤさんはそうせざるを得なかったから仕方なかったのよ。結果的に農園は潰せたからよかった」
そう真っ直ぐな目で話すイヅナに、朱雀の心が締め付けられる感覚を覚える。それまでアレス騎士団は敵だと認識していた彼の考えが、少し変わろうとしていた。
(アレス騎士団も、僕たちと同じように誰かを守りたいだけなんじゃないか……)
朱雀が口を開きかけたその時だった。拍手と誰かの話し声が響く。そして悪魔たちが人の入った檻を一つずつ運んでいく。
「嫌だ嫌だ!!助けて!!」
「ここから出して!!」
人の泣き叫ぶ声が大きくなる。朱雀はイヅナと顔を見合わせた。二人の真剣な瞳が重なる。
「いよいよ始まったね」
「……ええ」
遠くから拍手や歓声が響いてくる。次々と人が落札されているのだろう。