あやかしと四神〜闇を祓って〜
「朱雀様を疑って酷いことをした人たちのことなんて、口にしてほしくないです。神様にあんな酷いことをするなんて……!」

颯真はアレス騎士団の朱雀への扱いに大層ご立腹だった。一応和解をしたとはいえ、今もその怒りは彼の中で燻っているようだ。

「颯真くん、落ち着いて」

「そうそう。アレス騎士団は俺たちが神様だって知らなかったからさ〜」

青龍と白虎が颯真を宥めた。しかし、玄武が顎に手を当ててポツリと言う。

「でも、あの鬼の女の子は僕らの正体を薄々勘付いていそうだったけどね」



数時間後、朱雀たち四神の姿は街中にあった。街のパトロール兼青龍の話していた噂話の調査である。

「ねぇねぇ。昨日からリファさんが家に帰ってないらしいの」

「えっ!?この前、商店街のスイレイさんも行方不明になったばかりよね!!」

「みんな行方不明になっているのが怖いわ……」

「何かの事件かしら……」

怪異の姿はない。しかし人々の顔は暗く、謎の失踪事件にみんなが怯えているように見えた。
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