天才画家に描かれて、毎晩とろけそうです ―スイートルームで始まる、芸術と恋の独占契約
咲良は手のひらにのせたネックレスをじっと見つめていた。

光の角度で色を変えるピンクダイヤ。
まるで虹のしずくが結晶になったようで、見ているだけで胸がいっぱいになる。

けれど──その美しさは、あまりにも遠い。

「……こんなの、私に似合わないよ」

小さくこぼれたその言葉に、空気がぴんと張り詰めた。

次の瞬間、レオンの声がふるえた。

「やめて」

その響きに、咲良は顔を上げた。

レオンは目を見開いたまま、まるで胸の奥から叫ぶように続けた。

「そんなこと、二度と言わないでくれ」

「……レオン?」

「だって、君は僕の光なんだ。
 君が美しくないなんて、僕のすべてを否定されるのと同じ」

そのまなざしが真剣すぎて、言葉を飲み込んだ。

「君の身体も、君の心も、君の線も、すべてが僕を救った。……咲良、僕は君を、愛している」

静かな告白だった。
でも、それは確かに彼の本心のすべてだった。

胸が、ぎゅうっと締めつけられる。

こんなふうに、まっすぐに「愛してる」と伝えられたのは初めてだった。

抱きしめたい、とも、奪いたい、とも違う。
ただ、描くように、包むように──咲良の存在を、愛している。

「……レオン」

名前を呼ぶだけで、声がふるえた。
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