天才画家に描かれて、毎晩とろけそうです ―スイートルームで始まる、芸術と恋の独占契約
深夜0時をまわったスマホの画面。
通知がひとつ、ぽつんと浮かんでいた。
【Leon_art_officialが投稿しました】
咲良は反射的に指を動かす。
タップして開かれたのは、1枚の写真だった。
──パリ、エッフェル塔。
夜の空に浮かぶライトアップ。
見上げるような構図に、塔の足元だけが切り取られている。
(……今、そこにいるんだ)
説明も、ハッシュタグもない。
レオンらしい、静かな投稿だった。
でも咲良には、それが何より雄弁だった。
「ここにいるよ」
「見つけて」
まるで、そう言われているような気がした。
心臓が強く打ち、身体の奥から何かがこみ上げてくる。
咲良は引き出しを開け、パスポートを取り出した。
次に、クローゼットの奥から小さなスーツケース。
カチリ、と静かな音を立てて開かれる。
あのスイートルームでもらったピンクダイヤのネックレスが、
やわらかな光を浴びて淡く輝いていた。
咲良はそれをそっと首元にかける。
そして、声にならない声でつぶやいた。
「……行こう」
まだ、好きかどうかも、自信なんてない。
再会して何を伝えたいかも、言葉にはならない。
でも、描かれたまま終わるのは、いやだった。
この線を、自分の手でつなぎに行く。
たとえ結末がどんなものであっても――
もう一度、「会いたい」という気持ちだけは、嘘じゃないから。
通知がひとつ、ぽつんと浮かんでいた。
【Leon_art_officialが投稿しました】
咲良は反射的に指を動かす。
タップして開かれたのは、1枚の写真だった。
──パリ、エッフェル塔。
夜の空に浮かぶライトアップ。
見上げるような構図に、塔の足元だけが切り取られている。
(……今、そこにいるんだ)
説明も、ハッシュタグもない。
レオンらしい、静かな投稿だった。
でも咲良には、それが何より雄弁だった。
「ここにいるよ」
「見つけて」
まるで、そう言われているような気がした。
心臓が強く打ち、身体の奥から何かがこみ上げてくる。
咲良は引き出しを開け、パスポートを取り出した。
次に、クローゼットの奥から小さなスーツケース。
カチリ、と静かな音を立てて開かれる。
あのスイートルームでもらったピンクダイヤのネックレスが、
やわらかな光を浴びて淡く輝いていた。
咲良はそれをそっと首元にかける。
そして、声にならない声でつぶやいた。
「……行こう」
まだ、好きかどうかも、自信なんてない。
再会して何を伝えたいかも、言葉にはならない。
でも、描かれたまま終わるのは、いやだった。
この線を、自分の手でつなぎに行く。
たとえ結末がどんなものであっても――
もう一度、「会いたい」という気持ちだけは、嘘じゃないから。