【番外編】過保護な医者に、今度は未来まで守られてます
「……雪乃、起きて。外来の健診、今日の朝一でしょ」
ぼんやりとまぶたの裏が明るくなって、次に耳に届いたのは、神崎の落ち着いた声。
その瞬間――雪乃は、ぱちんと目を見開いた。
「……っ、え? 朝? え、今日……?」
「そう。健診の日。朝一って言ってたじゃん」
大雅はすでに着替えを済ませ、Yシャツの袖をまくりながらベッド脇に立っていた。
「やば……忘れてた……っ」
「お姫様モード、ここにて終了。現実に戻ってください」
「うぅ……ひどい。さっきまで“お姫様だいすき”とか言ってたのに……」
「うん、昨夜までの限定サービスだから。ちゃんと説明した通り」
「……撤回してもらえませんか、殿下」
「却下です、姫。早く顔洗って歯磨いて、俺も一緒に行くから」
少し冷たくも聞こえるその言い方に、雪乃はほんの少し唇を尖らせたが、
時計を見て青ざめる。
「う、うん……急ぐ……!」
ばたばたと寝癖のまま洗面所へ飛び込んでいく雪乃を見て、大雅はふっと笑みを浮かべる。
でもその目元には、ちゃんと“心配”の色も滲んでいた。
洗面所の中から、泡だらけの声が聞こえてくる。
「……ねえ、大雅。ちゃんと一緒に来てくれる?」
「うん。俺の患者だからね」
「ちがうよ、そうじゃなくて……その、付き添い的な……」
「――ああ、はいはい。お姫様の護衛騎士ね」
「そう、それ! そっちのほうが安心する」
鏡越しに頬を染めた雪乃の顔に、大雅は小さく首をすくめた。
「……ったく、仕方ないな。じゃ、今日だけ護衛騎士復活で」
「やったー! 大雅大好き!」
「はいはい。じゃあ急いで、お姫様」
ぼんやりとまぶたの裏が明るくなって、次に耳に届いたのは、神崎の落ち着いた声。
その瞬間――雪乃は、ぱちんと目を見開いた。
「……っ、え? 朝? え、今日……?」
「そう。健診の日。朝一って言ってたじゃん」
大雅はすでに着替えを済ませ、Yシャツの袖をまくりながらベッド脇に立っていた。
「やば……忘れてた……っ」
「お姫様モード、ここにて終了。現実に戻ってください」
「うぅ……ひどい。さっきまで“お姫様だいすき”とか言ってたのに……」
「うん、昨夜までの限定サービスだから。ちゃんと説明した通り」
「……撤回してもらえませんか、殿下」
「却下です、姫。早く顔洗って歯磨いて、俺も一緒に行くから」
少し冷たくも聞こえるその言い方に、雪乃はほんの少し唇を尖らせたが、
時計を見て青ざめる。
「う、うん……急ぐ……!」
ばたばたと寝癖のまま洗面所へ飛び込んでいく雪乃を見て、大雅はふっと笑みを浮かべる。
でもその目元には、ちゃんと“心配”の色も滲んでいた。
洗面所の中から、泡だらけの声が聞こえてくる。
「……ねえ、大雅。ちゃんと一緒に来てくれる?」
「うん。俺の患者だからね」
「ちがうよ、そうじゃなくて……その、付き添い的な……」
「――ああ、はいはい。お姫様の護衛騎士ね」
「そう、それ! そっちのほうが安心する」
鏡越しに頬を染めた雪乃の顔に、大雅は小さく首をすくめた。
「……ったく、仕方ないな。じゃ、今日だけ護衛騎士復活で」
「やったー! 大雅大好き!」
「はいはい。じゃあ急いで、お姫様」