【番外編】過保護な医者に、今度は未来まで守られてます
数日後の朝。
淡い春の陽ざしが差し込む部屋で、雪乃は丁寧に髪を整え、少し緊張しながら鏡の前で深呼吸をした。
今日は、不動産会社の面接の日。
さえ子さんが勧めてくれた話に、雪乃は思い切って「行ってみます」と返事をしていた。
出かける準備をしながら、ふと数日前のことを思い出す。
──電話の向こう、滝川先生の声は相変わらず落ち着いていて、どこかおちゃらけていた。
『いいんじゃない? 仕事って、やってみなきゃ分かんないし。何より、あなただって、もう回復してるわけだからね。大事なのは無理をしないこと』
『でも……週5って、やっぱり大丈夫か不安で』
『だからこそ、専属の医師兼王子様がそばにいるんでしょ?』
『……王子様って』
『なに、否定する?』
『……しません』
『ならOK。もしも少しでもしんどくなったら、すぐに神崎先生か俺に連絡入れるように。それで全部解決だから』
くすっと笑って、雪乃はバッグを肩にかけた。
“もしもの時は、助けを求めればいい”。
そう言ってくれる人たちがいるから、自信が持てる。
「行ってきます」
淡い春の陽ざしが差し込む部屋で、雪乃は丁寧に髪を整え、少し緊張しながら鏡の前で深呼吸をした。
今日は、不動産会社の面接の日。
さえ子さんが勧めてくれた話に、雪乃は思い切って「行ってみます」と返事をしていた。
出かける準備をしながら、ふと数日前のことを思い出す。
──電話の向こう、滝川先生の声は相変わらず落ち着いていて、どこかおちゃらけていた。
『いいんじゃない? 仕事って、やってみなきゃ分かんないし。何より、あなただって、もう回復してるわけだからね。大事なのは無理をしないこと』
『でも……週5って、やっぱり大丈夫か不安で』
『だからこそ、専属の医師兼王子様がそばにいるんでしょ?』
『……王子様って』
『なに、否定する?』
『……しません』
『ならOK。もしも少しでもしんどくなったら、すぐに神崎先生か俺に連絡入れるように。それで全部解決だから』
くすっと笑って、雪乃はバッグを肩にかけた。
“もしもの時は、助けを求めればいい”。
そう言ってくれる人たちがいるから、自信が持てる。
「行ってきます」