その声を聞かせて
凌は近づいてきて私のすぐ後ろに立つ。

「それだけ?」

「え?」

「本当に聴いてねぇの?」

凌の低めの声がすぐ側で聞こえて鼓動が更に高鳴る。

治まれ。
治まれ!

「ねぇ、気づいてる?
本当の君が知りたい
全部を脱がせて、僕だけに見せて
その強気な仮面を剥がして
甘く、強く
君が溶けるまで愛したい
欲しい、君の全て」

すると今度はMY Heartを歌い出した凌。

やめて…
やめてっ!

私は拳を握りしめ、目をキツく瞑る。

生歌はヤバいって!

英語が更に甘さを引き立ててんのさ!
分かってんのか?

なぁ?

しかも何で急に歌ったりすんのよ。
これまで一度だってそんな事しなかったじゃない!

「これ、誰に書いた歌だと思う?」

「さ、さぁー? 凌、恋人でもいたの?」
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