その声を聞かせて
「今のお友達?」

「ああ。前のあの幼馴染の兄貴。俺と同い年。健悟(けんご)」

そう言う凌の声はいつもより控えめだ。

ダウンライトで暖かな色味に照らされる凌はいつもに増して格好いい。

「由麻。これ」

そう言って小さな四角い箱を渡された。

「え?」

「開けてみて」

言われたまま箱を開けるとそこにはペアリングが入っていた。

私は驚いて凌を見上げる。

「今日買ってきた」

え…

「んじゃやっぱりあれは凌だったの!?」

「え?」

「私今日凌がジュエリーショップに女の人と入って行くの見た」

「ダッサ俺」

凌は口元を手で隠す。

「あれマネージャー」

マネージャー…

「外で俺話さないから」

あ、なるほど…

なんか眼鏡をかけた真面目そうな人だったかも。

スッと私の手から箱を取り上げた凌は指輪を取り出すと、私の指にはめる。

「予約」

思わずその色香に魅せられ息を止めてしまう。
< 139 / 280 >

この作品をシェア

pagetop