その声を聞かせて
なかなかズバズバ物を言う人だな。

とにかく真面目そう。

「立ち話はこの辺にして、さ、参りましょう」

そう言って案内された黒のワゴンに乗る。

「マネージャーさん、なかなかキャラ濃いね」

「なんか怖いよな」

ふふふ。

「あれで由麻と同い年だぞ」

「そうなの?」

見えないわ。
私より上に見える。

「由麻さん」

すると助手席から後藤さんに呼ばれる。

「はい!」

「横で見ますか? それとも前で見ますか? ゲリラですがこちらのレーベルの方が特設会場を用意してくれてるので、席は確保できますが」

「横で」

私が答える前に凌が返事をする。

そして手を握られた。

少し冷たい。

「わかりました」

会場に着いて厳重な警備の中、連行される人みたいにタオルを頭から被って顔を隠して裏手からステージへ向かう。

シルエットだけという事でステージには白い幕が張られていた。

あの内側で歌うのね。

その幕の外側には、機材や楽器などが両サイドに設置されているみたいだ。
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