その声を聞かせて
こんな時なんて言ったらいいのだろう。

「だから今日由麻さんとお会いするまで私はどこか恨めしい気持ちがありました」

私は無意識に後藤さんの肩に手を乗せようとしていて、慌てて引っ込めた。

そう、だよね…

嫌だよね…

「でもあんなに幸せそうに由麻さんに寄り添って空港に来た鳴海さんを見て言葉が出ませんでした。由麻さんが鳴海さんをそうさせているんです」

きっと私の顔なんて見たくもなかったはず。
話しかけたくもなかったはず。

「由麻さん。私から言うのもおかしな話しですが、鳴海さんをよろしくお願いします」

そう言って後藤さんは私に頭を下げた。

「私にはお二人を応援する事しか出来ないので」

顔を上げた後藤さんの瞳には光が差込み希望が見えた。

「由麻さんには完敗です」

そう言ってニコっと初めて笑顔を見せてくれた。

逆の立場だったら私はこんな風に出来ただろうか。
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