その声を聞かせて


凌は私を膝の上に乗せて噛み付くようにキスをしてくる。

そっと唇が離れオデコを合わせて見つめ合う。

「好きだよ」

「私もっ…」

もういろいろ反則。

こんなの惚れ直すに決まってる。

「由麻を想いながら歌った」

「…うん」

伝わったよ。

この車に乗り込む時に後藤さんと目が合って大きく頷かれ彼女は乗ってこなかった。

まるで凌を頼むと言わんばかりに。

そして私たちがこうして車で何をするのか想像していたみたいに。

私はギュッと凌に抱きつく。

「凌…カッコ良かった。とても」

「惚れ直した?」

ニヤニヤしてる。

「うん」

私は素直に頷く。

「由麻が素直だ」

そう言って凌は笑う。

「嫌?」

「どんな由麻も可愛い」
< 192 / 280 >

この作品をシェア

pagetop