その声を聞かせて
「んじゃこれで」

そう言って後藤さんとスタイリストの待つ部屋へと戻れば、二人はまるで同じリアクションを見せる。

たぶんこのリアクションが正解だ。

息を飲んで口元を押さえている。

「マスクどれがいいかな」

凌はそんな二人を気にする事なく私の隣りでマスクを選び始める。

「これは?」

それはシンプルな黒のマスクで鼻までのやつ。
目元にバツ印があって多分光るっぽい。
ピエロをイメージしてるのかな?

「口見えるじゃん」

「でも歌いやすそうだよ」

「んじゃいっか」

それを手にして着けると誰だかもうわかんない。
それに妖しい雰囲気が増して想像が掻き立てられるな。

フェイスラインも口元も綺麗だし。

「髪上げてもらえますか?」

凌がスタイリストさんに話しかける。

「は、はい! お任せを!」
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