その声を聞かせて
そしてステージ裏まで行くと凌がマスクを外して待っていて、凌が広げた腕の中に飛び込めば強く抱き締められる。

「由麻っ」

「早く!」

後藤さんの声で私たちは用意されていたタオルを頭から被って裏手に待機するワゴンへと乗り込んだ。

凌は私のタオルとサングラスを外すと、顎を掴みキスを落とす。

ゆっくり、味わうように。

もうこの底なし沼のような場所から私は抜け出せない。

そっと唇が離れると凌は私を見つめる。

「もうお前がいないと俺歌えないかも」

「私は…生きてくことすら出来ないかも」

まさか私がこんな事を言うと思っていなかったのか、凌は目を大きく開ける。

「それって…」

私はコクっと頷く。

すると凌はガバっと私を抱き締める。
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