その声を聞かせて
「どうしても可愛がりたくなるな」

「ふふふっ」

「俺こんなんじゃなかったんだけど」

顔を戻しジッと見られる。

「それはこっちのセリフ」

私も凌の隣に座り直してソファに寄りかかる。

二人で悶々としながら深呼吸をする。

「何やってんの俺たち」

「本当それ」

そして、しばし沈黙が続く。

「メイク直すのお前早いよな?」

「ま、まぁ」

「髪もなんとかなる?」

「ま、まぁ」

二人とも天井を見上げながら会話をする。

そして二人で部屋の時計を同時に見た。

「んー、微妙! さっさと終わすとかしたくない!」

そう言って凌は立ち上がる。

「ちょっと早いけどもう行くぞ。ここにいるのは危険だ」

「ははは! 夜までおあずけー」

凌はさっさと着替えを済ませる。

「後でゆっくり、たっぷり可愛がってやる」

そのあまりの色香にゾクゾクっと縮み上がってしまう。

そしてどうにかこうにか約束の場所へと向かった。
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