その声を聞かせて
「なるほど。ははは」

直樹はどこか開き直ったように笑い出した。
なんなの?

「由麻、君は金に目がなかったもんな」

は?

一体なんのこと!?

「それに、由麻はあっちの具合も良いだろ。極上だよな。まぁ、ひとつ言うなら反応が薄いってところか」

最悪!

「文句も言わないし、黙って家事もしてくれる。見た目も文句無いし側に置いておくには便利だよな」

「お前、どうしようもないクズだな。ママにそう言えと教わったのか? マザコンだもんな」

「何だと!? ママを悪く言うな! このヤロー!」

そう言って直樹は凌に殴りかかった。

「え!? ちょっと! やめてよ!」

私の大事な恋人に!
私は瞬時に臨戦態勢をとると凌が私を見た。

「手出すな」

え?
私は一時停止する。

そして絶対に避けれたはずなのに凌は直樹のパンチを顔面で受け止めた。

私はハッと息を飲む。

あんなへっぽこパンチ…なんで!?

「ははは! 弱い男だ! とんだ見掛け倒しだな!」

そう言って調子に乗った直樹は更にパンチを続ける。

そしてちょっと拳が痛いのかようやく殴るのをやめた。

すると凌は顔を上げる。

「五発だな。それからお前が先に手を出したな?」

黙って殴られていた凌が話し出す。

「え…?」

これには直樹も驚いている。

「ここから俺が何しても正当防衛だよな?」

「な、なんだと!?」

「それともこのまま警察呼ぼうか? 選べ。警察か俺に殴られるか。由麻に謝るか」

凌は直樹の胸ぐらを掴み持ち上げ冷たく言い放つ。

「ひ、ひぃっ…!」

「さぁ、どうする? このまま地面に頭から叩きつけてやろうか?」
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