その声を聞かせて
でも夏の夜風が気持ちいい。

何か用事があるわけじゃないけどこうして一緒に同じ事をしてるだけで胸が温かくなっていく。

丘を登り着いたところは夜景の見える高台にある広場だった。

バイクからまたヒョイっと抱き上げられ下される。

「ふふ。ありがとう」

「ん」

ヘルメットを外した凌は髪をくしゃくしゃとする。

そして夜景の見えるベンチに並んで座った。

「誰もいないね」

「ラッキー。キスし放題」

そう言ってさっそくチュッとキスをされる。

マンションから見える夜景も素敵だけど、こういう場所から見える景色もまた素敵だ。

「綺麗だね」

「ん」

しばらく無言のままこの時間に浸る。
凌とは特に何も話さなくても、黙ったままの時間を過ごすのは心地良いと感じる。

「なぁ由麻」

「ん?」

「俺といてつまんなくない?」

「え? なんで?」

「俺、あんま喋んねぇし」
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