その声を聞かせて


「皆んなただいま! 私の恩人を連れてきたわ!」

「お帰りなさいませ。渚お嬢様。えっと…」

背筋が伸びてスタイル抜群で、シルバーグレーのヘアをビシッとセットしたイケメンじいちゃん執事。

イケじい執事だ。

すごい。

「こちらは坂下様よ! 丁重におもてなししてちょうだい」

私より先に渚さんが紹介する。

「坂下…様…。坂下様…? ま、まさか!?」

「そう! そのまさかよ!! 凌の由麻ちゃんだったの! 凄いでしょ!?」

凌の由麻ちゃんって…

「それは大変だ!! 何という偶然!! ささ、早くお入りください!」

「お、お邪魔します…。あのご挨拶が…」

「それは凌坊ちゃまがいらっしゃる時で」

執事のおじいちゃんはにこやかに笑う。

凌坊ちゃまって…
やべ。
笑いそう。

「ふふふ。今のうちに笑っておいた方がいいわよ」

渚さんまで。

「あはははは!」

「あの見た目で、今だに坊ちゃま呼びなんだから。あはははは!」
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