その声を聞かせて
その時。

バーンと扉が観音開きに開く。

「おい」

そこには、ずぶ濡れになって息を切らした凌の姿。

「ええ! ちょ、凌!? どうしたの!?」

私は咄嗟に立ち上がる。

「あら? 凌ったら。慌てて来たの?」

「おお、凌。おかえり」

「あははは、なんでそんなボロボロなのよ」

「おやおや? 凌坊ちゃま、傘をお忘れでしたか?」

「………なんだこれは」

低い声。

「あ、えっとー…」

どう説明するといいんだ?

みんなで顔を見合わせる。

すると無言でスタスタとこちらへ向かってくる凌。

「り、凌…?」

そしてびしょ濡れのまま、抱きしめられた。

「無事で良かった…」

「え?」

「誘拐されたんだろ?こいつらに」

「はぇ?」
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