その声を聞かせて
するとすかさず渚さんが立ち上がる。

「違うわよ!」

「失礼ね!」

とお母さま。

「俺たちはただ、恩人と楽しく飯を食ってただけだぞ?」

とお父さま。

「……恩人?」

「凌坊ちゃま、語弊がありました。ははは。渚さんが先日襲われた際、助けてくれたのが由麻さんだったのですよ」

「は? あの日の!? あれ、渚だったのか?」

「そういう事。たまたま今日由麻さんを見かけて、この間はお礼もできなかったから、急遽招待したのよ」

「そうよ? 誘拐だなんて、ねえ? ほら、凌も突っ立ってないでさっさと着替えてらっしゃい」

「さ、凌坊ちゃま、こちらへ」

「ちょ、おい」

髙橋さんが凌を引きずるように別室へ連れて行く。

「ふふふふ! 何あれ! 凌ったら」

「凌の顔見た? パパが怒った時とおんなじ顔だった!」

「イケメンじゃないか」

「さ、まだ料理もたくさんあるし、いただいちゃいましょう?」



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