その声を聞かせて
その時そのチンピラみたいな男たちの一人がズボンの後ろのポケットに手を入れた。

キラっと何かが光る。

あの彼からは見えてない。

「にいちゃん、俺たちが誰だか知ってんのか? あん?」

バタフライナイフだ!

今ここには人通りもなく生憎私くらいしかいない。

そしてその男が襲い掛かろうとした瞬間、私は咄嗟に後ろから思いっきりジャンプして脳天を突くように踵落としをした。

「グァっ!」

カランカランっとバタフライナイフが地面に落ちる。
その男と共に。

「おい!」
「このクソアマ!」

やべっ…
つい…

「逃げるよ!」

男たちが騒ぐ中、私は無愛想の手を取り車に放り込み急発進させた。

「ちょっと! 何やってんの!? あんなのやり返せたでしょ!?」

彼は驚いた顔を僅かに見せるだけで何も話さない。

あ、話せないのか。
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