その声を聞かせて


「あなた…私のストーカー?」

顔をしかめ彼を見上げる。

彼はジッと私を見下ろしたまま何も話さない。

"何してんの"

携帯を見せられる。

私はまた下を向く。

「ほっといてよ」

すると私の目の前にしゃがんだのがわかってまた顔を上げる。

"なんでいっつも俺の前に現れんの?"

いや私が聞きたいわ。

「なんで私に傘なんてさしてんのよ。あなたまで濡れちゃうじゃない」

そもそも話しかけるなとか言ってたくせに。

しばし彼は黙ったまま私を傘に入れる。

「何してんの?」

"傘さしてる"

そしてまた続く沈黙。

"転んだのか?"

目線は私の擦りむいた膝に向けられている。
どうせ間抜けだとでも思ったんでしょ?

「別に。あなたに関係ないでしょ」

もうこれ以上ここに座っててもどうにもならない。

そう思って立ち上がるも、思ったより捻った足に力が入らずよろけてしまう。

するとすぐに彼が私の腕を掴んだ。
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